尋問調書(1931年12月11日)

ハルムスは1931年12月10日に逮捕された(一度目の逮捕)。以下の尋問調書は、その翌日に記録されたもの。 
最後の供述はどこまでが彼自身の言葉か図りかねるものの、その蛮勇ともいえる率直さに思わず言葉を失ってしまう。


1. 名字 ハルムス(ユヴァチョフ)

2. 名前、父称 ダニイル・イヴァーノヴィチ

3. 年齢(生年) 1905

4. 素性(出身地、両親、国籍) レニングラード、7等文官の息子、貴族出身の母

5. 住所(定住所・最近の住所) ナジェージンスカヤ通り11番地8号室

6. 職種(最近の勤務地および職業) 作家、定職には就いておりません

7. 家族(近親者、その名前、住所、革命前および最近の仕事)
――父はイヴァン・パーヴロヴィチ、妹はエリザヴェータ・イヴァーノヴナ・グリツィナ。外国にナジェージダ・アレクサンドロヴナ・ナジェージナという知人がおります。彼女はロシアの新聞の編集者で、私は彼女と文通をしております。

8. 財産(革命前および革命後における被尋問者およびその親族に係る) なし

9. 教育(初等、中等、高等、専門、場所、時期等) 高卒、高等教育は中座

10. 党派と政治的理念 (空欄)

11. 社会的労働・革命的労働に関する報告  いかなる社会的労働にも従事しておりません

12. 前科(十月革命以前および以後) なし

13. 白衛軍での従軍 なし

供述の要点

私は文学の分野で仕事をしております。政治には関心のない人間ですが、自分にとっては身近な問題、すなわち文学に関する問題についていえば、文学の分野におけるソビエト政権の政策には賛同できないということを申し上げます。(判読不能の文字)これに係る施策に対し、私が希望いたしておりますのは、私自身の作品および、私と同じ文学グループに所属し、私と作風の近い作家らの作品の、出版の自由です。

ダニイル・ハルムス
1931年12月11日